不動産投資のニュース・トレンド解説

世界最大手半導体メーカー、TSMC進出で考える企業城下町と不動産投資

世界最大手半導体メーカー、TSMC進出で考える企業城下町と不動産投資

TSMC進出で住宅需要が高騰する熊本県菊陽町周辺

半導体受託製造の世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)が、熊本県菊陽町進出で工場の完成が迫っている。1000戸の住宅が必要になるとの報道もあるなか、九州フィナンシャルグループの資料によると、TSMCのみならず多くの半導体関連企業などが進出を予定しており、雇用は7500人と予想されている。国土交通省発表の令和5年地価公示では、熊本県菊池郡菊陽町の住宅地と商業地が同県内で地価上昇率がトップとなった。

 

そしてLIFULL HOME’S PRESSの調査によると、新築物件の賃料が進出発表前から1.7倍に跳ね上がっていると言う。

「熊本県菊陽町等で新築賃料が1.7倍に。不動産業界も注目したいTSMC進出に見る“半導体効果”。」LIFULL HOME’S PRESS

 

このように、TSMC進出発表以降、工場用地の取得とそこで働く人たちの住宅の需要増で土地の価格、賃貸住宅の家賃ともに上昇しているのである。

 

 

シリコンアイランド九州の半導体城下町へ

 

熊本城 加藤神社から見る宇土櫓と大小天守閣

 

今回のTSMC誘致は、半導体不足であった日本の状況下からの国策でもあり、国からの補助金は最大4760億円になるという。元々九州は1970年代よりシリコンアイランドと呼ばれ国内の半導体製造シェア約40%を担っている。前述の九州フィナンシャルグループの試算だと熊本県への経済波及効果は10年で4.3兆円になるという巨大な投資先としてシリコンアイランド九州の熊本県に多くのヒト・モノ・カネが流れているのである。
この動きをいち早く捉え、機会にしようとアパートの新築や戸建ての取得などを進めている不動産投資家もいるようだ。一方で、日本各地には多くの企業城下町と言われる町が存在する。企業の進出によって発展した地域である。今も引き続き産業が盛んで栄えている町、当時の有様とは様子を変えてもしっかりと存続している町、基幹産業を失って過疎化してしまった町など様々である。不動産投資においては、企業や工場の撤退だけではなく学校の移転や閉鎖など、少子高齢化の人口減の日本においては、賃貸経営に打撃を受けたという大家さんの話は良く聞く話である。
しかし人の居るところに不動産投資の対象が移るのは当然の流れで、熊本県菊陽町周辺も市街化調整区域など建築を制限されていたエリアも、行政による緩和など色々な後押しから変わっていくのであろうと予測される。住宅だけでなく人と物を運ぶ道路も同様に、ものすごい勢いで街づくりが進み、そのエリアに不動産投資をする。何とも夢があるのは間違いない。そして熊本は、かつての肥後国。日本三名城のひとつ熊本城を擁する城下町である。熊本地震で被災してしまったあの美しい宇土櫓(うどやぐら)も解体され、2032年には再建されると言う。不動産投資家としても城マニアとしても、熊本には注目せざるを得ないのである。

 

まもなく解体の国の重要文化財・熊本城宇土櫓 熊本地震後初・被災内部を報道公開 約100年ぶりの全解体で再建へ|プライムオンライン(テレビ熊本)

 

 

プロフィール
アイカワ編集長
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士  広告会社に勤務する異色の不動産投資大好き編集長。 自らの知見と大家さんのネットワークで得た、不動産投資家にとって本当に役に立つ情報の発信を心がけています。
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